株式会社ピアラ代表取締役飛鳥貴雄氏3/3

会社名  : 株式会社ピアラ
証券コード: 東証マザーズ 7044
代表者  : 代表取締役 飛鳥 貴雄(あすか たかお)
略歴   : 1975年生まれ、愛知県出身。早稲田大学法学部卒。2004年にピアラを設立、代表取締役に就任。マーケティングコミットカンパニーとして業界シェアを拡大し、2018年に東証マザーズ上場。
所在地  : 東京都渋谷区恵比寿4-20-3 恵比寿ガーデンプレイスタワー29F
設立   : 2004年3月24日
事業   : 「ECトランスフォーメーション」をコンセプトに、ビューティ・ヘルス食品領域におけるダイレクトマーケティング事業を支援。
資本金  : 844百万円
URL  : https://www.piala.co.jp/

日本の「おもてなしの精神」とKPI保証成果報酬が武器

宮崎:「ずっと愛されること」の支援は、御社がオフラインもオンラインも両方できるということが強みになってくるものと理解しました。

飛鳥:はい。僕らが今、目指してるところです。アマゾンGoだったり、アリババのニューリテールだったり。やっぱりあのようなところも、ネットからリアルに出てきているので。時代的にネットとリアルがクロスしていくと思います。そして、テクノロジーを使わないリアルはやらないです。また。いくら最適化されているとしても、やはり少し人らしさを残す。「人らしさを残す」っていうのをすごく重視しているところですね。

宮崎:特にリピート通販の場合は、人間らしさを感じる顧客との接点があるかないかでその解約率が大変変わってくると思いますね。

飛鳥:そうですね。だから人が買うという行為が続く限り、大丈夫だなと思ってます。海外へ行ってもやはり「おもてなしの精神」が受けるんです。「そのサービス精神を持ったECマーケティングを世界に持っていく」っていうところが一番ポイントです。日本っぽい接客です。多分、日本って唯一、アメリカのダイレクトマーケティングより、妙な進化をとげているんですよ。「再春館」だったり「やずや」だったり、ファンになっていただくために、お電話でいろいろやったり、深い接客したりしています。この精神を、インターネット上でやれるともう少しその海外のECマーケット変わるかなっていう気もします。

宮崎:日本における通販で行われるCRMの極め方って、もう職人の域ですよね。何回もトライアンドエラーをして、考えて考えての結果の蓄積ですよ。あれは日本の資産だと思います。そして、そのようなデータを御社も持っていらっしゃる、そういうことですよね?

飛鳥:そうですね。

宮崎:御社の強みに納得です。この強みを持って上場され、今後はどうやって事業展開をされていくのか。この先のことについてお話を聞いてもよろしいでしょうか?

飛鳥:われわれKPI保証の成果報酬で契約している社数はまだ180社ぐらいです。そして、ターゲットにしているビューティーアンドヘルスだけでも3千数百社。さらに、食品も入れると、もう万を超えてくる部分があります。やはりまず、そういったところをストックで伸ばすっていうのがまずは第一の軸です。そして、第二の軸としては、この分野の越境ECの支援ですね。もともとわれわれは中国に2013年から進出しています。しかしながら、中国の消費者は、ドラッグストアで売っているものとか有名なブランドしか買わない状況でした。ようやくSNSが形になってきて、無名なものも売れるようになってきました。中国、台湾、タイ、ベトナム、それ以外のアジア諸国に関しても、すごく問い合わせが増えてきています。今後は、そちらの方で成功事例がどんどん出てきているのです。われわれの方で、今チャットで出来るコマースのサービス機能を持っています。Facebookだけでコマースができるんですね。Facebookで告知をしたら、リンクを押すとメッセンジャーが開いて、そのままメッセンジャーで買うというかたちなんですけど。例えばタイだと、チャットでコマースしたことある人、全人口の51パーセントなんですよ。

宮崎:全人口の半分ですね。そんなにいるんですか?

飛鳥:はい。タイやベトナムが特徴的なのは、Facebookがシェアの8割を持っています。皆さん、携帯端末のsimカードを月額制で購入するのですが、Facebookの検索に関してどんなに検索をしても0円。どんなに動画を見ても0円。グーグル検索してYouTubeで画像視聴すると金がかかるんですよ。つまり、見ないんです。だから、公式ページも会社ページも全部Facebookで見ているんです。つまりFacebookで会社ページを起こしキャンペーンページを作り、商品を紹介したら、メッセンジャーで「これ買いたいんですよ」って直接メーカーと会話するんですよ。システムも決済システムもないのに、「じゃあ、送りますんで、ここに振り込んでください」という流れで、人口の51パーセントが買ってるんですよ。

宮崎:すごいですね。日本のマーケット環境とだいぶ違いますね。

飛鳥:はい。だから、そこに目を付けて、Facebookの中に決済機能とコーマス機能を入れたチャットボットコマースっていうのを提供しています。Facebookが普及しているアジア諸国はかなり多いので大変有利です。現地での販売はFacebook経由として、越境ECをやる際にはわれわれにシステムがあり、決済ができて、あと配送業者だけいればマーケティング開始できるんです。「全部、お任せでいけますよ」という体制を拡充している感じですね。

宮崎:すごいですね。日本の企業も、商品とお金を渡して「あとはよろしく」で、もうすべてがお任せできるという感じですか?

飛鳥:そうです。第三の軸にこのデータを使った新規事業を考えています。テスト的にやっていることです。悩みデータを集めていると、「今、どんな悩みがトレンドで、どんなものがどのぐらい量を売れているか、いくらで獲得できるか、トレンドはこれです」、というのが結構見えるのですね。このデータを使って、商品企画提案が可能となっています。新規事業というか付加価値です。私たちのコンサル部が、事業計画やキャッシュフロー計画も書きます。リアルマーケティング、テレマーケティング、Webマーケティング、CRMと分かれてるんですけど。横軸にコンサルがいます。お客様と立ち上げ事業をやるんですよ。最終的にはそこも増やしたいです。

宮崎:広告代理からさらにお客さんに入り込んでいておもしろいですね。

飛鳥:ビューティーアンドヘルスのビジネスモデルはストック型なので、将来を計算できるモデルです。お金さえ投資すれば、ある程度利益が残るというビジネスモデルなので、ほんとに投資としてもおもしろい案件だなという感じではありますね。

宮崎:非常におもしろい。ちなみに、投資対効果のイメージがありますか?

飛鳥:大体僕らでいうと、「3千万円の原資ならば3年で売上5億円。5千万円の原資ならば3年で売上10億円。」という感じですね。

宮崎:なるほど。ありがとうございました。
お客様からフィーを頂きつつもデータ蓄積が出来るのが素晴らしいですね。長年のデータがあると、それが御社のほんと強みと、新規事業への転換の礎かと思います。

飛鳥:15年分のノウハウとデータがあります。データ自体は延べ600社あります。悩み別に分類して学習するので、なんとなく傾向値が出てくるわけです。

宮崎:そのデータから出てくる知見は圧倒的な説得力ですね。ありがとうございます。
このスピードで新規事業を次々作っていく場合、どういった人材を欲しているのですか。

飛鳥:ほとんど今、70パーセントが新卒枠で、エースは3、4年目ぐらいの人材です。7、8年ずっと連続して新卒採っています。今、僕らもクラウドインターン的なことをやっていて。例えば、大学1年にクラウドでデジタルマーティング、IT、AI系を学習してもらいます。少しずつ課題を終わってもらって、さらに興味持ってどんどんやりたい人からインターンになってもらう。色がなくて、新しいものに常に挑戦できるっていうところが一番です。採用基準は経営理念の部分です。「相手を知ってから自分のことを知ってもらう」ことです。それは、当事者意識なんですよ。当事者意識イコール他責をしない。他責していたら、Win-Winにならないです。当事者意識があるかないかで。「人のお金だなと思って、頑張ってはいるけど、結果はそこそこでいいか」となるか、「いや、まずいと思って、ほんとに真剣にやるか」が変わってきます。そして、成果報酬にした際に起こった変化があります。真剣に考えるんですよ。強制的に当事者意識に。

宮崎:成果報酬をすることにより他責ではなく自責になっていく。それが、ちゃんと経営理念の方とリンクしている。

飛鳥:そうです。Win-Winの概念から成果報酬の考えが出てきて、その当事者意識が勝手に生まれるのです。弊社には営業という職種がいなくて、各ソリューションを契約したのち自分たちで運用します。

宮崎:なるほど。すべてですか?

飛鳥:すべてですね。そうしないと、自責にならないのです。「平均年収上げるために、やっぱり効率をみんなで上げるしかないよね」っていう目的をちゃんと持って、システム化して無駄なことをしない。作業は基本的に外注化かシステム化し、社員はブレーンかスーパークリエイティブになることに集中するのです。

宮崎:なるほど。すごいなあ。それぞれで連動してますね。僕が新卒だったら、すぐにエントリーシート送りますよ。
最後にお聞きします。今後の御社の株価対策として、個人投資家の方に対してどういうふうな向き合い方をするのですか。

飛鳥:Win-Winの概念には、ステークホルダーも入っています。売上、利益、平均年収全部上げていけば、株主さまに還元できると思っています。業界的にはまだまだ伸びますので、効率化を図っていくことで継続成長が可能です。システムの一部と人件費以外に大きい投資が必要であるわけではないです。今期から配当に関しては前向きに出して行こうと思っています。

宮崎:今期からですね?

飛鳥:ええ、そうですね。東証一部への鞍替えは、早い段階で目指したいです。

宮崎:非常に期待大ですね。

飛鳥:うちの証券コードが「7044」、「なおよし」と言ってます。「7044、なおよしだな」と思っていただくと嬉しいです。

宮崎:そうですね(笑)。それでは、最後に一言頂けますか。

飛鳥:まずは「マーケティングを変えたい」です。手数料ビジネスは価値を認めてもらえない商売です。Win-Winじゃないのです。みんな多分、必要なものにしかお金を払わないですよ。でも、価値があると思えばちゃんとお金を払っていただけるので。マーケティング業界のランキング上位の順位が一切変わってないんですよ。
だから、「次抜くとしたら僕らが」と思っています。それはやっぱり、成果報酬をメインとした契約のイノベーションでしっかりとコミットしていけば、大きく変わる、業界自体が変わっていくと思ってます。そういう意味では、マーケティングよりも、「契約のイノベーションをする」っていう感じですよね。

宮崎:「マーケティングを変える、契約のイノベーション」。数年後の順位を見るのが楽しみですね。最後にこの野心的な言葉をいただきまして。どうも長時間ありがとうございました。

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(インタビュー日 2019/1/10)